そうだ、あの人に住まいのコトバを聞こう。

対談インタビュー 『住まコト』 Vol.2 リノベ女子ーズ座談会

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Q2 女性がリノベーションし住まいを手に入れること。女性が建築業界で働くこと。

渡邉:皆さんやっぱり子供の頃からつくるのが好きだったり建築を身近感じていたり、共通点がありますね。それでは次のテーマに移りたいと思います。

浜ちゃん:わたしは田舎育ちなので、家を買うというと、「一家の主が土地を買って、戸建てを建てる」というイメージがあります。そんな中育ってきたので、都内では、女性の一人暮らしでも資産になる物件を買って住まうことができるというのは興味深かったです。将来的には、売っても貸してもいいし、一生住むのではないという感覚でリノベーションできると思うから、選択肢が拡がるというか、すごく自由なことだと思います。

はたけ:私も地方出身なので、初めは東京の住まいに対する捉え方に驚きました。経済的にも独立した女性が増えている証拠だと思います。カッコいいですよね。

お菊:リノベーションは何十年も住むケースももちろんありますが、中古物件を購入して、大体10年住まわれた後に売却や貸し出しにするケースも多くあります。その背景として、ひとり暮らしから家族が増えたり、勤務先が変わったりという理由が様々あり、ライフステージが変化していくその都度に合わせて、住まいも新しくしていけるのは、選択肢が広がるだけでなく、コストパフォーマンスの面でも有効な手段だと思います。

渡邉:暮らしとともに家を変えていけるのは、男女に限らずリノベーションの最大のメリットだね。ひとり暮らしならひとり暮らしの広さ(月々の支払い)があるし、家族ができたらそれに見合った間取りにするか、もしくは転居すればいい。しかも賃貸暮らしではないから、不動産資産として次の転居に活かすことができるという。

浜ちゃん:打合せの段階から「○○年後には転貸に出すつもりです」というようなお客様も増えてきましたね。そういうイメージを持っている方だと、こちらも数年後に貸せるようなプランを想定するので、デザイン提案もかなり違ってきます。

小川ちゃん:夫婦や家族だけでなく、生き方が多様化する中で、女性がひとりで家を持つことがもっと当たり前になってくると思います。

はたけ:ある程度キャリアもできて、貯蓄もあって、仕事もプライベートも充実して、現在の賃貸暮らし・実家暮らしにも取り立てて不満もないし。という女性の方って、実はかなりの数がいるんじゃないでしょうか。

お菊:やっぱり女性は新築物件を好む傾向があると思いますし。数少ない新築マンションが見つからず、泣く泣く今の賃貸を更新し続けているというケースも、もしかしたら考えられますよね。でも、希望の立地や間取り、女性が払い続けられる金額などの条件が揃うものを見つけるのってとても大変なことで。価格の手頃な中古マンションを、新築並みにきれいに自分好みにできるリノベは、シングルの女性の方にこそ、実は一番良いやり方かも知れませんよね。

小川ちゃん:それを踏まえて、男女関係無く、如何に感性の合う設計士と出会えるかが重要かなと思っています。私が設計するリノベーションに関しては、たとえばご夫婦で打合せを行う場合など、やはり奥様の意見が中心となってデザインが進むことも多いので。私が結婚して子供がいるということも含めて、同じ家庭を持つ女性のお客様の意図を汲み取りやすいと感じる場面は多いです。

渡邉:女性にはいろんな「顔」があるということだね。では女性が建築の業界で働くという点ではどうかな?

小川ちゃんよく男女比が8:2とか言われていますよね。ものすごく女性が少ない業種です。

渡邉:同じ建築でもインテリアの分野では、もう少し女性の割合が多いのかな。

浜ちゃん:構造設計、現場監督、設備などの分野では男性が多いですよね。デザインや住宅関係になると、もしかしたら女性の割合は6:4とか、もう少し多いかもしれないですね。

小川ちゃんゼネコンは男性、ハウスメーカーは女性が多いというイメージがあります。

はたけ:私は以前ハウスメーカーに在籍していたのですが、ハウスメーカーの接客も、はじめは女性担当者がつき、途中から男性担当に切り替わるというのがよくありました。

お菊:入口が女性のほうがきっと話しやすいんだろうな。

はたけ:設計士というより、アドバイザー、フロント営業といった、窓口の役割ですよね。だから会社全体の人数としては、男性のほうが断然多いです。

渡邉:良くも悪くも、商談となってくると、「男性のほうが信頼を得られる」という、イメージというか偏見みたいなものはあるかも知れないね。

はたけ:お客様にも、家を女性から買うのを嫌がるという方が中にはいました。高額のものを女性から買いたくないという意見を幾度か聞いたことがあります。

渡邉:女性に限らず、「あの人からは買いたくない」というお客様と担当の相性の問題は、サービスを生業とする企業なら常に存在することではあるけどね。そこは先ほどの小川ちゃんの意見と繋がってくる部分でもある。

小川ちゃん:はい。お客様によって、例えばご夫婦ですと、奥様が主導権を持っている方など、いろいろあります。どれだけお客様と共感していけるかが大事なことだと思います。

渡邉:本来なら、男性と同じくらい女性もいなくちゃいけない。大事なのは「同性としての共感」なんだと思う。デザインにしろ動線にしろ、「そうだよね!」という意見を、一緒にどれだけ解り合えるか。ご主人が家にながくいるご家庭であれば、男性の意見が有効だろうし、子育て、料理、というキーワードになってくると、女性の共感のほうが呼びやすい。

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Q3 女性向けリノベーション相談会について。

渡邉:この項目については、事前アンケートでは皆さん「良いと思う!賛成!」と明快な意見が出てますね。

小川ちゃん:はい。その一言に尽きます(笑)。

浜ちゃん:補足的にいうと、一般的な女性がマンションを買ってリノベーションしたいと思っても、不動産屋さんに行って物件を選ぶって、実は相当ハードルが高いような気がするんです。

渡邉:たしかに、いきなりベテランのおじさん営業が出てきて、この物件いいですよ! あの物件いいですよ!と言われても、女性の中には引いちゃう人もいるかもね。

浜ちゃん:「イエスというまで帰さないぞ」みたいな(笑)。そういうイメージが不動産業界にはあるのかなと。なので今回の女性向け相談会なら、もっと気軽に参加できるのかなと思っています。

小川ちゃん:賃貸ひとり暮らしの女性や実家暮らしの女性が、いざ不動産屋さんに行って物件の相談をしようと思っても、「何人でお住まいの予定ですか?」「独身ですか?」「収入は?」「ローンの事前審査は?」などいろいろ聞かれるのかなとか思うと、少し抵抗を感じてしまうかも。

お菊:苦手意識を持っている方にこそ、気軽に相談に来ていただきたいですね。気軽に、明るく、楽しいっていうイメージを持ってもらえたら嬉しいです。

Q4 最近の女性のお客様からのご要望には、どういった傾向があると感じていますか?

渡邉:今の話をもう少し踏み込んでいくと、現代の女性が住宅に何を求めているかも見えてきそうだね。

浜ちゃん:私はリノベーションも新築戸建てもやっていますが、どちらでも共通していえるのは、女性の住まいに対するご要望は、形に囚われてなくて、その場所でやりたいこと、置きたい物などが決まっていて、それを実現するというやり方が多いです。キッチンはそんなに広くはないけど、近くに大皿を置いて起きながら作業もしたい、さあ、どうしようか。みたいな感じ。

お菊:女性らしい感性を持っていて、そのこだわりを実現する住まいが欲しいというご要望が増えてきたような気がします。例えば、寝室→ウォークイン→洗面→リビングの移動がスムーズな動線や、ペットと暮らすために土間やペット用建具をつくったり。

はたけ:うんうん、「ペット」や「動線」のご要望は本当に増えてきましたよね。私の最近のお客様では、水廻りや収納が多いですが、それこそ「ここのキッチン収納にはみりんを3本入れたいんです!」とか、ものすごく具体的なご要望をお持ちの方が多くて。その他、洗面やキッチンのタイルなど素材こだわられたり。選びながら、「これかわいいですよね」と共感し合いながら決めていくので、私も選んでいて楽しいです。

渡邉:キッチンの流行りというと、やはり対面式のほうが多いのかな?

お菊:初めは圧倒的に対面式ですね。(一同頷く)

小川ちゃん:リノベーションの場合、どうしても物件によって制限が出てくることもあるので、お打合せが進んでいく中で、対面式にしようと思ったけれどその分リビングが狭くなるという理由から、途中から壁付けのキッチンを採用するお客様の場合もありますね。

はたけ:それと、キッチンの吊戸棚をつけないお客様も増えてきた気がします。

お菊:高くて届かないし、結局使わなくなるからいらないというお話はよく聞きますよね。

渡邉:なるほど。僕は壁付けの場合、後から収納が不足しないように、ステップを一緒につけますのでとお勧めしているな。対面式だったら背後にスペースがあるので収納量は後からどうにも増やせるけど、壁付けキッチンの場合はそれが難しいからね。

お菊:テイスト面では、最近の流行りとして暗い色合いの「ヴィンテージ」、「西海岸風」などのご要望ですね。あと「インダストリアル」、「北欧風」も大分一般的な言葉になってきました。

渡邉:家がファッション的な要素に近くなってきたのかな。雑誌やWEBで「今年の流行りの服はこれだ! 」みたいなのがあって、おしゃれに自信がある人や流行に敏感な人がその服を買い求めるような。

小川ちゃん:今まで興味のなかった人が、ファッション的な要素をきっかけにマンション購入+リノベーションをしたりと、住宅への門戸は確実に広がったのではないでしょうか。でも着せ替えて終わりではないですよね。私はなるべくお引き渡しの時、この部屋を大事に育ててくださいね、という意図を伝えるようにしています。

渡邉:子供たちが大きくなったから子供部屋の仕切りを増やして二つに分けるといった変更から、収納が足りなくなってきたから造作棚を追加したいなどの小さなものまで、住んでからも実はやることはいっぱいある。現在進行形で家をカスタマイズできるよ!という認識は、もっと広まっていいと思うし、暮らしを充実させるためのヒントにもなる。お引渡し後も、5年、10年と、悩みがあればいつでもアドバイザーとして寄り添っていますよという信頼関係を築くいていくことこそ、一番大事なことだよね。

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