RENOVATION INTERVIEW

お施主様の体験談を交えた“リアルで飾らない”リノベーションストーリー


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No.009

リノベーションインタビュー
物件:ご自宅リノベーション
工事費:600万円

ラフだけどシンプル。ラーチ合板のボックス収納と土間でつくる夫婦のSOHOリノベーション空間

東京都大田区/1979年2月築/RC造マンション/70.00㎡

東京23区の最南端、大田区。羽田空港、蒲田エリア、田園調布エリア、町工場など、様々な顔を持っている独特な街。グラフィックデザイナーのお施主・M様は、小さい頃からこのマンションに住み、近くを流れる多摩川の景色や繁華街の賑わいに慣れ親しんできました。奥様との結婚、両親の介護、そんな多くの出来事を経験した思い入れのあるこの住まい。一度は売却の査定を出したりもしましたが、「やっぱりここがいい」とリノベーションを決意。結露や寒さなど、築古の部分を解決して住みやすくするのが一番でしたが、「そこから『ちなみにこれはできる?』という感じでデザインの希望を小出しにしていったら、全部予算内でできてしまった、“100点満点”のリノベでした。」という意外?なリノベーションストーリーとは、一体どんなものだったのでしょうか?

▲ 多摩川に架かった鉄橋を走る夕暮れの電車。マンションから歩いて4、5分ほどのところにある六郷橋緑地では、散歩をする人や家族連れでレジャーを楽しむ姿など、賑わう様子がうかがえる。
 

住み継いだマンションをリノベする。永く住んだからこそ、やりたいこと。

 

Cue:はじめに、リノベーションをしようと思ったきっかけからお伺いさせてください。

M様:はい。ここは、もともと子供のころからずっと住んでいたマンションなんです。両親が亡くなって、住み継ぐことになり、これまで感じていた不便や不具合などを、リノベーションで解決したいというところがきっかけです。

Cue:不便・不具合とは、具体的にはどういうところですか?

M様:一番はカビですね。窓側の壁に家具を置くと、どうしても背面に目が行き届かなくて。やはり築古で一階というのもあり、湿気や冬の底冷えする寒さというのはずっと気になっていました。

Cue:なるほど。住環境の整えは大事なところですよね。

M様:はい。なので床壁の断熱材、窓のインプラスといったところをしっかり入れてもらいました。


▲ 元々独立した居室だった部分をリビングに繋げ、バルコニーからの光が直接リビングへ届くようになった。

Cue:角部屋は日当りと通気性が良い反面、壁や窓を通して冷気や熱気が室内に伝わってくるので、冬の外壁側の窓の結露や、窓枠にカビが発生しやすいという側面がありますね。ですがちょっと、意外に思いました。ラーチ合板のWTC収納や、そこをぐるっとまわれる土間スペースとか、かなり意匠性が高く、そういったお話が出てくるのかと思っていました。

M様:そうですね。まずは住環境の向上が優先順位としてあったので。それを踏まえて、減室や間取り変更など、夫婦二人暮らしのサイズに合ったより使いやすい空間にできたらベストだと考えていました。

Cue:間取りに関しては、以前はリビングダイニングとキッチンがあって、その他、洋室2部屋に、和室1部屋……。

M様:そうなんです。夫婦で暮らすには部屋数が多過ぎるんです。

Cue:永く住まわれてきた中で、ご家族の形態も様々に変遷してきたわけですね。

M様:そういう意味では、現在が一番最少人数ですね。それにバルコニー側にあった部屋が風や光を塞ぐような格好になってしまい、リビングやキッチンに届いてこないんですよね。

Cue:その洋室のひとつをリビングと繋げ、キッチンの壁も取り払い、約18.4帖のLDKになりました。

M様:土間の回廊もあるので、バルコニーから玄関まで、しっかり風や光が抜けていくんです。そういうのはリノベ以前の家では考えられなかったことですね。

▲ ラーチ合板の壁と土間。合板内側はウォークスルークローゼットになっており、その奥にM様のワークスペースがある。
 

作りこまない、100点満点のリノベ

 

Cue:結露や間取りなど、様々な機能的な問題からリノベーションが始まるわけですが、どういった経緯でCuestudioにお任せいただいたのでしょうか?

M様:そこはもうシンプルにインターネット検索ですね。そこでいろいろ比較して、一番イメージにぴったり合っていたのがCuestudioさんでした。

Cue:相見積りなど様々な会社には相談していたのですか?

M様:相見積りはしていないです。けれど以前に幾つかのリノベ会社さんから概算の金額を出してもらったりはしていたので、自分のやりたいことのおおよその金額感は掴めていました。それと、かなり昔ですが、自分の事務所を、有孔ボードなどを壁一面に使ってDIYリノベーションをしたこともあるんですよ。

Cue:そうなんですね。その感じは、今のお部屋のテイストと通ずる部分がありますね。

M様:はい。Cuestudioのショールームが正にあの感じじゃないですか? 検索でショールームの風景を見て、「おっ!」と思いました。そうなると実物を見てみたくなって、電話もせず、アポも取らず、いきなり足を運んでしまいました(笑)。

Cue:それほどイメージに近かったのですね(笑)。

M様:なので、相談しはじめの頃に、基本的な希望内容と予算を伝えた上で、「ちなみにこれはできる? これを足すと幾ら?」という風に、小出しにしていきました。その都度、担当さんが検討してくださって、「それならできそうです!」と気持ち良い返事が返ってくるので、この会社なら大丈夫だろうなと安心できました。金額面でも今までで一番納得できるものでしたので、お願いすることに決めました。

▲ リビングなどメインスペースとは対照的に、合板WTC収納&モルタル土間スペースはスケルトン天井で、素材感を演出。

Cue:基本ベースにオプション的に追加していったということですが、どのあたりがそうですか?

M様:土間もできないならできないで、仕方ないと諦めるつもりでしたし。あとは、キッチンのタイル張りとか。まあ無難にキッチンパネルかなと思っていたら、「タイルでもいけそうです!」と仰っていただいたので良かったと思います。

Cue:逆にどこか妥協した部分はありますか?

M様:それがないんですよ。やりたいこと、全部やれてしまったんです。

Cue:とはいえ、造作棚をひとつ諦めたとか……。

M様:いや、本当に諦めてないです。造作で作りこむよりも、家具でアレンジしていきたかったんですよね。

Cue:なるほど。作り込みすぎると、逆に融通が利かなくなるということですか?

M様:そうですね。今まで住んでいたし、これからも永く住むので、そういう余地は残しておいたほうがいいだろうなと思いました。

Cue:確かに、テレビボードやキッチンのパントリーラックなど、壁付けの造作棚としてご希望されるお客様が多い中、M様の場合、ご自身で用意されているし、しかも選ぶ素材もかなり凝ったものですよね。

M様:あのテレビボードは、新木場の材木屋で見つけて、一目ぼれして買い付けたものです。一枚板をブロックに置いているだけですが、雰囲気があって気に入っています。それに、もし違うものにしたいと思ったらすぐに変えることができます。造作してしまうと、そういうことができなくなるので。私たちの性格というか、暮らし方にはこういう方があってるんだと思います。

▲ 水廻りはタイルで揃え、統一感を出している。

▲ 新木場の木材屋で見つけた一枚板&ブロックのテレビボード。

▲ キッチン・スチールラックに並んだ和物の食器。意外にも、無骨さとの組合せがマッチしている。

▲ インプラス(二重サッシ)工事を行ったのは、掃きだし窓の二ヶ所。

Cue:壁の白やメープルの床もシンプルなので、たしかにどんな家具でも合わせやすそうですね。

M様:もっと色の濃い床にしようかと考えたこともありましたが、結局さっきと同じでやめることにしました。もっと年を取れば、きっと好みが変わってくるでしょうし。だからリノベーションの打合せで、ラーチ合板とモルタル土間が決まった段階で、あとは極力やり過ぎないよう、簡素化に努めました。もっとやりたいという人はいると思いますが、家族形態や好みになってくると思うので。

Cue:点数を着けるとすると、100点満点中……。

M様:もちろん100点満点ですよ。本当に満足のいくリノベーションだったと思っています。

Cue:おおっ出た! 嬉しいです!

▲ 玄関側から続くモルタル土間のワークスペース。 ▲ 反対側から見た様子。左右どちらにもつながり、「廊下」と「部屋」の中間のような位置づけだ。 ▲ しっとりとした質感の土間・床。使い込むうちに味に変わる。

転居して新しい「住環境」を手に入れるか、リノベーションをして今の住まいで新しい「住環境」を手に入れるか。

Cue:ではリノベーションした後の暮らしの変化についてお伺いさせてください。

M様:まず、人を呼べるようになりました。あとは家に居る時間が増えましたね。モルタル土間の一角をワークスペースにしているのですが、リビングとゆるく繋がっているので、好い意味で「篭り感」があって、気持ちがリラックスして仕事も捗ります。

Cue:本当にご夫婦の生活に合ったリノベーションになっているのですね。住み替えを検討されたりは?

M様:ああ、それはリノベーションする前に考えました。実は不動産会社に頼んで一度、査定まで出してもらっているんですよ。

Cue:そうなんですね。やはり“実家”という思い入れみたいなものが勝ったのでしょうか?

M様:思い入れはもちろんありますが、きちんと知っておきたいというのもありました。夫婦二人で住むとなると、やはりちょっと大きいですし、子供の学区とか仕事とか、そういった事情も私たちにはなかったので、選択肢としてなくはなかった。

Cue:転居して新しい「住環境」を手に入れるか、リノベーションをして今の住まいで新しい「住環境」を手に入れるか、というような?

M様:ええ。それでやっぱり後者を取りました。やったことのある方はわかると思いますが、東京で自分たちに本当に合ったマンションを見つけ出すのはとても大変なことです。

Cue:はい、そうですね。私もいい歳なので時々マンションを見たりしますが、恐ろしく高い(笑)。気軽に引っ越そう、あるいは投資で持っとこうとか、おいそれと思える額じゃないんですよね……。

M様:その点、ここは自分の良く知る家ですから。じゃあここをリノベーションしたほうがメリットになるという結論に至りました。ですので、この先の住み替えなどは今のところ検討していません。まだ家具など揃えきれていないので、この先もっと住み良くしていこうと思っています。

  ▲ 買い物帰りの寛ぐ様子。休日はDVD鑑賞をしたり、やはり自然とリビングを中心に過ごすことが多くなるそう。

Cue:それでは最後に、今回のリノベーションを体験して、まとめの一言をお願いいたします。

M様:はい、細かい部分は今お話したとおりなので割愛しますが、とても楽しくできたというのがあります。こちらの細かい要望にも、断らないで、ひとつひとつ「できます!」というように、元気に帰ってくる。そういう若さみたいな弾みがあって、楽しみながら進めることができました。

Cue:分かりました。今後、追加したいリノベがありましたら……と、100点満点だからないというお話でしたね(笑)。

M様:はいもう十分いただきました。ありがとうございます。いつになるか分かりませんが、もし追加したい工事が思いついたらまたご連絡します。あ、あと私と担当さんの趣味が一緒なので(担当:望月の趣味がサーフィン)、いつか一緒に行くとかね。

Cue:そういう今後もいいですね! 引き続きよろしくお願いします!

インタビュアー/写真撮影:高崎亮太

《DATA》
マンションM様邸

物件:Mマンションご自宅リノベーション

所在:東京都大田区

築年数:1979年2月

構造:RC造6階建て

占有面積:70.00㎡

リノベーション完了:2017年12月

総工事費:約600万円

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