【空き家問題について考える】空き家対策法成立でDIYやシェアハウスなど住宅利用事情をもっと見直してみよう

  • コラム
    ┃2015/06/18


こんにちは。キュースタジオ製作担当Tです。

全国およそ820万戸に及ぶ空き家問題の解決に向けて『空き家対策特別措置法』が全面施行され、先月26日から本格的にスタートしました。

空き家が減ればその持ち主だけでなく、住み方のバリエーションが見直され、わたしたちの生活もガラッと変わるかもしれません。

今日はその背景と今後の課題についてお話したいと思います。

特措法のポイントをおさらい

総務省の土地統計調査によると、全国空き家率が過去最高(13.5%)となり、その対応策として成立したのが今回の特措法。
まず大まかなポイントをみてみましょう。
特措法では、
「空き家」
「特定空き家」
と二つの段階を設けています。
倒壊、防災、衛生、景観などの観点から、空き家の中でもとくに近隣地域にデメリットとなるおそれがある建物を「特定」と認め、持ち主に対して、修繕の指導、場合によっては強制撤去し、かかった費用は持ち主に請求できる「代執行」も可能としました。

さらに固定資産税が最大1/6になる住宅用地特例の適用も撤廃します。
住宅用地特例とは、土地を住宅用地として利用した場合にかかる税金を軽減するもので、人が住んでいる・住んでいないに関わらず「とにかく家が建っている」ことが条件というもの。

解体すると軽減措置が受けられなくなりますし、そもそも解体自体にお金がかかります。
「じゃあ今後どうするかとくに考えていないけれど、とりあえず放っておこう」
と多くの持ち主がそう考えてきたために放置されてきたという経緯があります。
さらに住民票、戸籍謄本、不動産登記だけでなく、固定資産税の納税記録から責任の所在を特定することもできるようになりました。

原因はなんといっても「供給過多」と「人口減少」

空き家増加の背景には核家族化や過疎化など様々ありますが、なんといっても「住宅の供給過多」と「人口減少」。
2008年の1.28億人をピークに人口は減少し、2050年には9000万台にまで落ち込むと予測され、この分母そのものの縮小傾向は、当然空き家問題にも直結してきます。
そして新築至上主義の名のもと、ビルド&スクラップを繰り返してきた日本の習慣は今も根強く残っています。

空き家を「減らす」こと。と同時に「増やさない」こと。
そんな日本全体が本腰を入れて住まいの価値観を見直そうとしている動きにあるわけですが、現在「空き家」を所有している持ち主だけに限らず、今後そうなり得る「空き家予備軍」の持ち主にも関係してきます。

「理由なき空き家」をどうするか

国が規定する空き家の種類は、「売却用」「賃貸用」「別荘など二次住宅用」「その他」の四つ。

「その他」には、

「両親が亡くなって実家を整理する間もなくそのまま」

「先祖代々の家屋があるが親族どうしの権利関係でうやむやに」

などのケースが当てはまり、こういった言わば「先送り」になっている空き家を「その他」として問題視しているわけですね。

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(出典:総務省統計局平成25年土地統計調査『空き家等の住宅に関する主な指標の集計結果について』)

ひとくちに増加といっても全国で多少のばらつきがあり、高齢化・過疎化を抱える地方などは引き取り手のない一戸建ての増加という想定が成り立ちます。

一方、東京などの首都圏の順位は低いですが、むしろ賃貸用の空き家率が上昇傾向にあり、どちらかというと「供給過多」に直結している部分があるでしょう。

しかもそういった明確な目的を持った空き家(ヘンな言い方ですが)も、「その他化」する可能性があるということ。

空き家問題の専門家、富士通総研経済研究所の米山秀隆氏によると、

「募集に出されているうちは一定の管理が行われるが、老朽化などから住み手の見つからない状況が続けば、戸建てや賃貸物件も「その他」へ分類される可能性がある」

と指摘しています。

リノベーションの現場を見ていると、よおく分かります。

とにかく建てれば売れた高度経済成長期とは違い、ポテンシャルを有した住宅しか残らないということですね。

「量」より「質」へ。

空室を抱えるアパートの経営者などには、より手腕が求められることになりそうです。

東京、大阪などの大都市で如実な傾向にあることから、生き残りをかけた熾烈な情報戦的様相も含まれているかもしれません。

ただ減らすよりどう減らすかが鍵

民間に目を向けてみると、空き家バンクや空き家の管理を代行するといったサービス会社がここ数年で急増しています。

「年に何度か親族が集まる場所」、「利用予定はあるが数年先」など理由が明確な場合は、これらのサービスが大いに助けになるでしょう。

けれど先行きの明確なビジョンがないのであれば延命措置にしかなりません。

国土交通省の発行する個人住宅の賃貸活用ガイドブックでは、DIY賃貸のことにも触れています。

そうなれば大賛成! ですが、まだまだ時間がかかりそうです。

オーナー未経験の方が一戸建てを貸すって中々勇気がいりますし、そこはもっと血の通ったビジネスモデルを示していく必要があります。

さらに言えば、市区町村の現場レベルで確実に実行されるかも未知です。

蓋を開けてみたら大半が「駐車場」、「レンタル倉庫」など、いわゆるお役所仕事で終始しかねません(笑)

将来そんな街並みばかりになったらちょっと寂しいですよね。

もっと多様な可能性があっていいはず。

(そこはわたしたちの腕の見せ所! ということでこんな取り組みも行っています)

一棟丸ごとリノベーション“yasashii-mokuzou” 【一棟丸ごとリノベーション “YASASHII-MOKUZOU”】

木造の一戸建てや集合住宅など、家にはさまざまな歴史があります。ときに何十年と住み継がれ、たくさんの思い出が詰まった場所。そんな愛着のある場所を残しつつ有効利用していくために、Cuestudioはオリジナルな企画提案を行っています。

まとめ

空き家といえど、そこで過ごした思い出や愛着もたくさんあるはずで、撤去するには名残惜しく、所持品の整理がつかないままという方もおられるでしょう。
個人の所有物ではありますが、地域コミュニティとの関わりという点も見過ごせません。

持ち主の意向を残しながら(もちろん運用利益も守りながら)、空き家を有効利用していく思い切った手段はないのか。
放置するのでなく、また安易に駐車場やレンタル倉庫にするのでもなく、もっと社会に活力を与えるような存在であって欲しい。

わたしたち同様もしくはそれ以上に、こう考えているオーナー様も実は少なからずいらっしゃるんですよ。

DIY型賃貸のほか、シェアハウス、シェアオフィス、ゲストハウス、etc。
現在の空き家や空き家予備軍を所有する持ち主の方へ、「おおそれは魅力的だね!」と感じてもらえるような有効活用、再生利用の企画づくりを行うこと。
そんな新たなコンバージョンを提示することが大事だと思うのです。
何より、そんな魅力的な建物が街に増えれば楽しいじゃないですか。

空き家問題の直面は日本特有の問題です。
我が国は少子高齢時代の先頭を突っ走っているわけですし、住み継ぎが当たり前の他国にもこのような前例がありません。

いいかえれば、面白いものがたくさん描ける余地があるということです。
近い将来、ここからわくわくするような新しい文化が生まれるかもしれません。

次回は現在進行中のプロジェクトの様子も交えてお伝えしようと思います!

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